新規事業の立ち上げで注意すること

2016.11.24 Category : 事業開発

「あれは3年前…」

 

最近、中計で「新規事業」の売上計上を目論んだものの思ったように進捗していないとのお話を聞くことが少なくありません。

企業として存続するために新しい収益源の確保は不可欠ですが、新しいことを始めるのはなかなか大変です。

「最初から大きくは期待しないが、せめてこれくらいは」と始めてみたものの、

実際にやってみると、その「せめてこのくらい」がなかなか形にできないものです。

 


最初から狙い通りにはいかない

新しい事業を立ち上げるのが難しい理由の一つに具体的なイメージがないことが挙げられます。

だからこそ、この「せめてこのくらい」といったところが形にできると、具体的なイメージが膨らんでくるわけですが、意外とあるのが、なぜ形にできないか、という原因を特定できないことです。

どこか特定のプロセスがネックになっていることが明らかになればいいのですが、曖昧になっていたり、あるいは明らかになっていても打ち手が思いつかなかったり適切でなかったり、ということがとかくありがちです。

 

 

↓ 例えばこんな形で、 どの部分を、どう変えるのか、改めて考えてみるのも一つの方法です。



 

それぞれのプロセスをどう変えていくのか、

私どもマネジメントパートナーがこれまでに何度かお手伝いさせていただいた中で気づいた

上記各プロセスでありがちなこととその対策について、

今後この‘Happenstance’でご紹介させていただく予定です。

 

今回はそんな私どもの経験も踏まえ、社内で新規事業を立ち上げようとするときに、

「特に大切」なポイントを3つ、(かなりざっくりですが)、整理してみました。

 

 

1.外部環境の目まぐるしい変化を前提とする

  • 計画の前提となる外部環境の変化が早い時代ですから仮説-検証のサイクルを素早く回す「リーン」型の事業開発(リーンスタートアップ)が効果的ですが「やりっ放し」「手当たり次第」といった落し穴に注意が必要です。
  • 既存事業や定常業務できちんとPDCAサイクルを回せているからといって新しい事業の立ち上げでも同じようにPDCAサイクルを回せるかというとそうでもないのが難しいところです。よくある経営のフレームワークや理論に頼ってもうまくいかないのも悩ましいところです。
  • おすすめは新しい事業立ち上げの実践を通じて土台となる共通言語や基本的な「型」をつくることです。「早く成果が欲しい」という想いが強いとちょっと面倒に感じられるのですが「そもそも」の部分から現状を客観的にとらえることが不可欠です。
 

2.事業開発の経験を通じて人材は育つか?

  • 新しい事業を立ち上げようとする理由の一つに、事業を立ち上げる(「創って、作って、売る」という一連の過程をマネジメントする)経験が人材、特に経営を担える人材を育てるのに効果的だからということがよくあります。
  • 新規事業を始めるとなると社内では注目の施策となる一方で、自社内で新規事業を立ち上げて成功する・継続的に事業として収益をあげられる可能性はそんなに高くありません。だからこそ事業開発を人材開発にもつなげていく必要があるわけですが、では事業の立ち上げを経験すればそれで期待通りに育つのかと言えば必ずしもそうではないのも現実です。特に事業の立ち上げが先々の売上ギャップを埋める目的からトップダウン的に始まってしまうとそうなりがちです。
  • 一つ言えることは、経験するから育つのではなく「自分ゴトとして取り組み、内省するから育つ」ということ。特に新規事業立ち上げという貴重な経験だからこそ、人材開発の面でも意図的・計画的に仕掛けを盛り込むことがおすすめです。

 

3.組織としてバックアップできるか

  • 経営的に新規事業専従のチームをつくって取り組める余裕があれば別ですが、普通は既存業務と並行しての「ながら」事業開発、あるいはマネジャー自身による「一人」事業開発となることが多いのではないでしょうか。そんな「ながら」「一人」事業開発が成功するかどうかの分岐点の一つに周囲の支援体制があります。
  • 最初の成功事例が生まれるきっかけはひょっとすると特定の個人の人脈やスキル・知識だったりするかもしれませんが、それに頼ってしまい、いつもまでもディール単位の売上で「事業」と呼べる仕組みにならないこともあります。
  • 担当者に見えているものが(本当は価値があるのに)経営や周囲には見えていないからみすみすチャンスを逸したり、試行錯誤してノウハウがたまった頃には担当者が辞めてしまったり、なんてこともありがちです。
  • 時間軸で見れば、新しい事業が立ち上がる⇒社内の雰囲気が変わる&組織の体質が変わり始める、というシナリオになるのですが、開発に成功するから組織開発も進むのではなく、組織開発も意図して事業開発を進めなければ事業はもとより人や組織の部分でもなかなか成果を得られません。

 

新規事業というと戦略や他とは違うアイデア、技術が大切なように考えがちですが、

「ウチには○○があるのに…」とか「△△を活かせさえすれば…」なんて感じながら何年か経過されているようでしたら、

改めて「人」と「組織」への働きかけを見直されることをおすすめします。

 


 

「だったら、具体的にはどんなことができるの?」といったご質問、あるいは新規事業の立ち上げに関するご相談、など 

無料で承っております。ご遠慮なく下記よりお問い合わせください。

 



 

 


 

 


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