戦略実行力

戦略実行力とは何か?②
~戦略実行力の有無はPDCAサイクルの「C」に出る~

戦略実行力とは戦略を実行するだけでなく、いわば、実行後の結果を事実として受け止め、その原因を、思い込みを捨てて見極め、実行の改善を図ることが出来る勇気のことです。

  1. 戦略実行力とは戦略の「PDCAサイクル」を廻すことである
  2. 戦略実行力のない現場によくある「ナンチャッテC」とは?
  3. 自分たちの「思い込み」を自分たちで打破できるのが戦略実行力のある組織

戦略実行力とは戦略の「PDCAサイクル」を廻すことである

今のような時代、「戦略は仮説である」と言われるように、戦略立案後の実践において、その検証を行い、立案した戦略の改善を図り、より目的の達成に近づけるという戦略実行力が求められています。

そのツールとして有効と思われるのが、みなさんもよくご存知のPDCAサイクルです。立てた戦略(P)を実践(D)し、そしてその成否と原因を明確にして(C)、より改善していく(A)・・・まさに戦略のPDCAサイクルを廻すことにより、戦略の検証を的確に行えることが、戦略実行力であると言っても過言ではありません。

今、現場では、戦略PDCAサイクルのPやDに追われまくり、十分なCが行われないことにより、良いAにならないとの問題意識から、特にCをしっかり行う、そのためにも確実な戦略実践と、実践後の現場からのフィードバック(リンク:戦略実行力とは何か?①)を重視するという気運が高まっています。

しかし、その「C」ですが、現場で今、1つの大きな問題が見えてきています。

戦略実行力のない現場によくある「ナンチャッテC」とは?

「C」とは無論「Check」のことですが、戦略のPDCAサイクルでは、戦略の成否の明確化とその原因の究明を行うことを「C」と言います。

戦略のPDCAサイクルに限ったことではないかもしれませんが、「C」を行っている、つまり成否の原因追及を行っているにもかかわらず、同じような失敗を繰り返しているという問題がどの組織にもよくあるものです。

実は、このような組織は、「Cをきちんと行っている」とは言うものの、その「C」が「ナンチャッテC」になっていて、「真のC」になっていないため、繰り返し同じような戦略の失敗をしてしまうことに気づいていません。

では「ナンチャッテC」とはどんな原因分析になっていることなのでしょうか?これは一言で言うと、原因分析時に、

「名詞。特にカタカナ名詞で表現された原因が多く挙げられる」

ということです。
どういうことかというと、例えばなぜ戦略が失敗したか?の問いに対し、

  • 「コミュニケーション不足だった」

  • 「戦略の意図を理解していなかった」

等の、まるで「どこの会社のことか分からない(どこの会社でも当てはまる)原因」「どこかの文献から持ってきたような抽象的な(不思議と分かった気になる)原因」「原因と言うよりは当たり前のこと、最初から想像がついたこと」を並べ立て、それで満足してしまっているのです。

ですから、A(改善)は「今後はコミュニケーションをもっと取ろう」というような、まるで原因を裏返しただけのような改善策が作られ、それが容認される。こういったことが繰り返されていくので、また同じような戦略の失敗が起こる。このような状態になっている組織は戦略の「C」ではなく「ナンチャッテC」を行っているに過ぎず、戦略の実行力があるとは言えません。

では、どうすれば「ナンチャッテC」から脱して、「真のC」を行うことが出来る、つまり戦略実行力のある組織に変わることができるのでしょうか?

自分たちの「思い込み」を自分たちで打破できるのが戦略実行力のある組織

結局、「カタカナ名詞」をどこからか引っ張ってきて、原因としてしまうという行為は、言い換えれば「自分の知っていることや視点・考え方を変えないまま

原因分析をしている」だけであり、「原因追求しているように見えて実は自分たちの今までの成功法則や教訓をなぞっている」だけに過ぎません。言い換えると「原因分析」が「ナンチャッテ原因分析」になってしまっているのです。

確かに、戦略の成否の原因分析は、多くの要因が関係していることもあって、簡単なことではありません。つい面倒になって、ありきたりの原因を持ってきて、分析したことにしてしまう気持ちは分からなくはありません。しかし、それでは失敗を繰り返すだけでなく、成功を拡大することも出来ません。

では、戦略の「C」を、これまでの視点や考え方を踏襲するだけにならずに行うには、どうしたら良いのでしょうか?以下にそのヒントを挙げてみます。参考になさってください。

  1. 原因分析時に「事実」と「解釈」を分けて記録し討議する
    人間がその「思い込み」に気づくのは、新たな「事実」に触れたときがほとんどです。戦略実行中に起きた「事実」を記録しておいて、それを出来るだけ正確に列挙しましょう。(「カタカナ名詞」でまるめることなく5W1H等で表記する)

  2. 「解釈の多様性」を意識した人選のもと複数人で原因分析の討議を行う
    確かに人間には、自分なりの「思い込み」(信念)が無くては、自分に自信が持てず、しっかり生きていけないという面があります。しかし、同時に人間は、「自分」や「自分たち」の解釈を「絶対視」し、それ以外の解釈を排除するという面も持っています。「いつもとは違ったメンバー」で原因分析の討議を行うことは、偏った事実の解釈を防ぎ、真の原因に気がつく可能性を高めます。

  3. 「何でも言える雰囲気」のもと原因分析の討議を行う
    上記2.の担保のためにも、会議の「司会者」が口で言うだけでなく、上記を「討議のルール」として、参加者から見えるところに紙で貼り出し、討議中にも常にこれを意識しながら討議を進めることが大切です。
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