目的・課題別ケーススタディー03
CASE

CASE.03

キャリア自律教育​
~ 女性活躍推進から全社員のキャリア自律へ ~

会社イメージ※写真はイメージです
事例企業の基本情報
業種:
専門商社
規模:
600名
対象者:
管理職(部長・課長)と女性社員

電子機器の販売・技術サポート。目指すはトータル・ソリューション・パートナー

Background

背景

伴走サポート前に担当者(人事担当役員&係長)から聞いていたこと

  1. 女性管理職比率目標を掲げているが達成できていない。管理職予備軍であるリーダー層も女性は4名のみ
  2. 「女性活躍と言ったって、ウチの会社にはロールモデルがない」が社員間での口癖になっている
  3. 優秀な新卒を採用できるようになったが(特に女性社員)、フィールドセールス職の女性が定着しない
  4. 女性社員は全社員の約3割。大多数は営業アシスタント職。「自分の仕事はここまで」と線引きし、新たな業務に挑戦しようとしない
  5. 従業員満足度調査では、現状の業務や給与に満足している社員が多く、継続就業意思を表明する比率も高い。一方、上司への不満を述べる人が多い
  6. 上司は女性社員の扱いに戸惑っている。「ハラスメント」呼ばわりされることを警戒し距離を置いている

ここ数年の間に講じた施策(主にハード系の打ち手)

  1. 経営ビジョンを策定・発表(トータル・ソリューション・パートナーへ)
  2. 6年前から新卒採用を開始(それ以前は中途採用だけだった)
  3. 本社事務所を移転(ITインフラ充実、オフィスからの眺望も良い)
  4. 人事制度改定(年功序列色を薄め、若手を抜擢し易い制度に。一般職を総合職に転換)
  5. 育児休業中の社員と会社の近況をシェアするネットワークを構築

それでもなお解消されない課題

  1. 課長は部署のマネジメントにおける女性活躍の優先順位が低く、「顧客創造や業績向上のために女性社員の力を引き出そう」という発想が乏しい
  2. 暗黙の了解で属性(男性・女性等)による役割分担があり、任せ方もチャレンジの仕方も確立していない
  3. 両立支援制度利用後のキャリア形成へ思い込みがある。子育て・介護と両立しながら管理職をするという選択へのハードルが高い
    ※このままでは、成長意欲旺盛で優秀な若手社員(特に新卒女性)が会社を見限って辞めてしまうのではないか?また、多様性も進まずイノベーションが起き難い風土が固定化されてしまうのではないか? という危機感がある
悩む人たち
Point

課題解決の着眼点
(マネジメントパートナーの切り口)

1.今回の取り組みを通じて、ダイバーシティやキャリア自律を進める「型」を作る

  • 「『女性活躍推進法』が施行されたから・・・」という消極的なことではなく、ポジティブな意味を持たせる
  • 「多様な人材が活躍できる会社」になるための「きっかけ」として女性活躍推進に取り組む

2.(男女問わず)管理職候補者人材をプールする

  • 女性管理職比率の数合わせはしない
  • 「指導的立場(係長クラス)に就くのも悪くない」と思える人材を増やす

3.女性社員と上司、お互いが「歩み寄る」ことを出発点とする

  • 「女性社員は〇〇だ」「あの課長は□□だ」という決めつけをしない(バイアスを解く)
  • 「相互理解により信頼関係を深める」というコミュニケーションの本質に基づく
キャリア自律推進の7STEP
Result

効果&波及効果と今後の展望

  1. 「女性社員と上司、お互いが “歩み寄る”」ことに注力したからこその効果
    • 1on1実施率が38%⇒65%に上昇。有意義だと感じる割合は51%⇒72%に上昇
    • 従業員満足度調査では、上司への謝意や労いを書き込む人が増えた
    • キャリアプランシートの記述内容が以前よりも具体的になった(以前は白紙もあった)
    • 目標管理シートの目標が以前よりも具体的・定量的な記述が増えた
      (上司が社員への期待を明確にして仕事を割り当てたことが功を奏している)
  2. コミュニケーション習慣というインフラができつつある
    • 「女性活躍推進」「ダイバーシティ」「キャリア自律」いずれにしても、現場レベルで一般社員と管理職のコミュニケーション(日々の声掛け、1on1、オフィシャルな面談)が決め手。今回の取り組みを通じて「コミュニケーション習慣というインフラ」ができつつあるので、今後の人事施策が軌道に乗りやすくなった
    • 「お互いが歩み寄る」という意味では、「女性社員と男性管理職」だけでなく、「ベテラン社員と年下管理職」の歩み寄りや「社員と会社」の歩み寄りも原理は同じ
  3. 今後の課題
    • 「指導的立場に就くのも悪くない」という女性社員が20名出現したのは嬉しいこと。
      今後は「指導的立場に就いても良い」と、よりポジティブな想いを表明する人材を増やす
    • 「女性社員」という括り方を止めて、全社員のキャリア自律に本腰を入れて取り組む
解決された人のイメージ
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